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『加守田章二展』 東京ステーションギャラリー

それは、本当に感動したのだった。
第一展示室の『植木鉢』で、もうノックアウト。
こんなにすてきな植木鉢があっていいの? って。
もう、胸がどっくんどっくん。

展示されていた作品(多くは60年代後半〜70年代)は、当時は非常にモダンで洗練され、
海外の、特にヨーロッパ風だったんだろう。
けれど、今となってみれば、非常に日本的な印象が残り、
東西文化の融合点をすばらしい形で実現していたんだとわかる。
ご本人がおっしゃっている通り、陶芸はただの手段でしかない。
土であるけれど、もうそれは土ではない。
土と対話しながら、ずっと先をみていたんだと思う。
日本人の陶芸作家で、こんなに感動したのは初めてだった。
海外の人ではルーシー・リー。これも近々観にいきます。わくわく。
# by siljaline | 2005-10-18 00:30 | 展示

『ぶらんこ乗り』 いしいしんじ

すごくすてきな本だった。
今までに読んだことのない、抱きしめたくなるような本。
小さい子どもの無邪気な残酷さも、小さな発見や大きな悲しみも、
あったかい物語に昇華されている。
大切なことばが星のようにキラキラとちりばめられて、
読み終わった後もぼんやりと空を眺めていたくなる。

わたしの小さかった頃の、どろどろした悲しい気持ちを思いだす、
けれど、それはけっしてきたないものではなくなっている。

「わたしたちはずっと手をにぎっていることはできませんのね」
「ぶらんこのりだからな」
「ずっとゆれているのがうんめいさ。けどどうだい、すこしだけでもこうして」
「おたがいにいのちがけで手をつなげるのは、ほかでもない、すてきなこととおもうんだよ」

# by siljaline | 2005-10-17 00:04 |

siljaについて

1980年生まれ。東京在住。
好きなものは散歩、食器、ケーキ、くだもの、旅、チャイ、休日の朝ごはん。
いろんなものをたくさん観て、味わって、ほんとうのことを知りたいです。
そんなものがあればだけど。

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# by siljaline | 2005-10-13 22:41 | about